壁の向こう側

東京でとても複雑な構造のマンションに、住んでいた時のことです。ある日の午後、子供達の留守の間にと、優雅に午後の入浴を楽しんでいた最中に、急にどこからか、複数のにぎやかな声のざわめきが響いてきました。まるで他の世界からの声のようでした。

あまりに突然の事で、何で?とびっくり仰天。勿論 謎を究明したい私の性格ですから、早速お風呂から出て建物の探検にでかけました。仕掛けはあまりに簡単でした。我が家のお風呂の10センチの厚さのコンクリートの壁の向こう側は、普段は誰も使う事のない裏階段があったのです。  その日の午後、上のお金持ちのお家で優雅なお茶会が開かれていました。それが終わって、美しく着飾ったご婦人達が裏階段を降りてらしたと。何ともあっけないお話で、謎解きのレベルにも達しませんでした。でもその時、私は見えない世界の事が説明できると、結構有頂天になったような記憶があります。そういうことなんだ!と。                                    裏階段も家の浴室も全てが同じ空間にあるのに、わずか10センチの壁が一つの空間を二つに分けている。声も聞こえるのだけど、かたや 着飾ったご夫人達は自分の手の届く所に、裸ん坊の私が入浴しているなんて、ゆめゆめ想像できません。人は 自分の目で見ない事は、そこに事実があっても 存在しないことになるんだ、とその日の経験を通して理解できました。

あちらの世界を説明される時、コインの裏側と表側と説明される事が多いです。つまり、背中合わせということで。あるいは、私達の世界が金魚鉢でその周りが全てあちらの世界。そしてあちらの世界からは金魚鉢である私達の世界が全てお見通しのようです。実際はどうなっているのか、多いに興味のあるところですね。 SUMI

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